川場ストーリーズ
KAWABA STORIES
04

生き方のカッコ良さに惹かれリンゴ農家に
都会の暮らしには戻れない、
川場だから得られる充実感

太田龍之介さん

東京都世田谷区出身。小学生のときに訪れた川場村での経験から、川場村で農家になることを志す。東京農業大学を卒業後、群馬県内に拠点を置くスーパーマーケットに入社。2016年に川場村に移住しリンゴ栽培を始める。家族は妻と子ども3人。

移住のきっかけは?

元々のきっかけは、小学生時代にさかのぼります。私が住んでいた世田谷区と川場村が縁組協定を結んでいた関係で、川場村にはよく遊びに来ていました。その時に出会った果樹農家の方の姿がかっこよくて憧れ、農家を志しました。

その後も川場村を訪れ、果樹農家の手伝いをし、そして東京農業大学に進学。農業を学び農家になる準備を進めましたが、「社会経験も必要」というアドバイスをいただき、卒業後は県内のスーパーマーケットに就職。3年ほど勤めた後、川場村で畑を借りられることになり、りんご農家を始めるとともに移住しました。


憧れの農家としての生活は? 

大学で植物関係のことは勉強したつもりでしたが、机上での学びと実際とでは全く違います。リンゴ農家になって7年目。毎年やることは肌感覚でわかるくらい慣れてきました。それでもわからないことは先輩農家さんに相談して、教えていただいています。川場村はリンゴの産地で、生産農家が多いのは心強いですね。

やりがいは、作業した後に見る畑の美しさ。摘果後のスッキリしたところや、葉を取り除いて、どこまでも広がる青い空にたくさんの赤いリンゴが映える様子など、頑張りが目に見えてわかるのは、モチベーションにつながります。

一番は、リンゴを送ったお客さまから「美味しかった」とポジティブな反応をいただくとき。リンゴの収穫は1年に1度。1年間かけてやってきたことの成果が、たった1度の収穫に凝縮されるのです。その成果を多くのお客さまに喜んでいただけることが、原動力になっています。


川場村での子育ては? 

親のストレスが少ないと思います。たとえば、都会のマンションに住んでいて子どもがいれば、どうしても音を気にしてしまう。川場は家が離れていますから、そういう気づかいは不要。こちらに引っ越してきたとき、雨が降っても子どもは外でずっと走り回っていました。楽しかったんでしょうね。

農業と子育ては親和性が高いと思いますね。農業は究極のタイムフレックスですから、目の届くところにいれば、仕事しながら子どもを遊ばせることができます。休憩がてらキャッチボールすることもありますよ。


川場村での暮らしは? 

みんなに生かされている、地域に生かされていると実感しています。周りに農家の方が多くて、野菜と米には困りません。収穫した傷物や規格外の商品にならないものですが、採れたてですから新鮮でとにかくおいしい。食費が浮いて、経済的にも助かっています。逆に時期になればリンゴを配ってお返ししています。田舎ならではのコミュニケーションですね。

車でいろいろ行ける自由度が高いところや、都会だとなかなかできないアクティビティが全部あるところも気に入っています。子どもがスキーを始めたきっかけで自分もやるようになりました。毎週土日は子供をスキー教室に連れて行って自分も楽しんでいます。15分くらいでスキー場まで行けるので「はい、行くよ」ってかんじで行けるのはいいですね。今、昔の生活に戻れと言われたら嫌だな。そのくらい今の暮らしに満足しています。


地域に溶け込むコツは?  

地域のコミュニティに自分から入っていくこと。川場に長年通っていた私でさえ、顔と名前が一致する人は数えるほどでした。消防団、リンゴ研究会の会議、地区の中にある組の会合などに参加するうちに、輪が広がりました。

田舎は人間関係が密だと敬遠する方もいるようですが、コミュニティに入れば、苦ではありません。リモートワークでずっと家にこもっていて、気が向いたときにだけふらりと出ていくというようだと、こちらでは生活しづらいと思いますね。最低限地区の行事に参加するなど、コミュニケーションが取れない人は、ちょっとしんどいかな。これは、田舎に限ったことではないでしょうけれど。


移住を考えている人へのアドバイスは? 

ぜひ、知り合いを作ってほしいですね。頼れる人がいた方が精神的に安定すると思います。

仕事は、収入と内容を選ばなければ1年中あります。人手が足りなくて来てくれるならぜひという農家さんは多いし、冬はスキー場もあります。農業は、気候によって成果が左右されますが、収入保険などの制度を利用して安定させることができます。

車が運転できる方が絶対に良いですね。巡回バスや寄合タクシーもありますが、元気なうちは自家用車を使った方が勝手は良いと思います。


もうすこし川場村のこと

休日の過ごし方は?

子どもが始めたスキーに、私もすっかりはまっています。冬の土日は、子どもの練習について行ってスキー三昧。シャトルも出てるんで、子どもだけで行く日もあります。

リンゴのこだわりは?

味の濃さと香りの高さにはこだわりたいので、完熟を待って収穫したい。一番美味しい時期に食べてほしい、という思いがあります。最高に美味しいタイミングでお届したいですね。

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3.外山美沙紀さん
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