川場ニュース
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2025年4月「川場学園」開校 教育長インタビュー

インタビュー

ワクワクが止まらない!自ら輝き続け、自信を持って世界へ羽ばたく子どもを育てる

川場学園は、小学校〜中学校の義務教育を一貫して行う義務教育学校。1年生から9年生までが同じ校舎に集います。子どもたちが先輩、仲間、後輩と多くの人と関わる中で幸福感を味わい、「学ぶことって楽しい」とワクワクする環境が待っています。

キラキラと輝く子ども時代が始まる場所、未来の自分に誇れる原点、それが川場学園です。

[ 川場村教育委員会 宮内教育長インタビュー ]

「川場学園」開校の背景は? 

最も大きな要因は、人口減少です。少子化が進んでも教育の質は絶対に落としたくないという強い願いを、外山京太郎村長が村長になる前からずっと抱いていたんですね。そのためには小学校と中学校を統合し、小学校1年生から中学3年生にあたる9年生まで、縦軸での人間関係を大切にしながら社会性を培っていきたい。このような思いから、義務教育学校を開校することになりました。

人生の中で最も成長する時期といわれる9年間を1本の軸で見られるのは、教育的にも意義深いこと。特に、川場学園は校舎一体型ですから、自然なかたちで異学年交流が図れます。学年があがるにつれて上級生としての自覚が高まり、下級生は未来の姿をイメージしながら学校生活を送ることができます。お互いにとって相乗効果が期待できます。

教育目標は?

自分に自信を持って、世の中に出ていける人材を育てること。このような子どもを9年間かけて、じっくりと育てていきたいという願いがあります。一人ひとりが当事者意識を持って主体的に考え、行動し、その結果に責任を持つことにより、自分でふるさとや世界を変えていけるという自信を持って卒業させたいと考えています。

大切にしたいのは、自己肯定感を高めること。自己肯定感を育てるには、心理的に安定できる場所で他者とつながることが必要といわれています。そのためにも1~9年と多くの友人、先輩・後輩と関わることのできる義務教育学校は大きな意味があると思います。

カリキュラムの特徴は? 

9年間の一貫した教育の中で、次の3つの指針を考えています。

一つ目は、非認知能力の育成。非認知能力とは、コミュニケーション力、好奇心、創造力、協調性など数値での測定が難しい能力のこと。予測困難な状況を的確に判断し自ら考えて行動するために必要な能力です。この非認知能力を基盤として、豊かな学力を形成させたいと思っています。

二つ目は、ふるさと学習である「川場学」の徹底。ふるさとを愛することは、自分の軌跡を、自分自身を大切にできるということ。このことが自らの自信を高め、力強く生きていくことにつながります。

三つ目は、英語教育。英語教育には以前から力を入れていますが、英語をコミュニケーションツールとして使いこなし、地球規模の視野と地域の視点の両方で問題を捉えていける「グローカル」な子どもを育てていきたいと考えています。

成長のサポート方法は?

今までのような、教師が黒板の前に立ち、子どもたちに向かって一問一答式の授業をするような一斉教育を変えたいと考えています。

しかし、何もかも刷新するというわけではありません。今の小中学校でも先生方も子どもたちも本当によく頑張っていますし、目に見える成果も出ています。

しかし、せっかく川場学園という新しい名前を冠した義務教育学校が誕生するので、子どもたちが自分で考えることができる、そして、旺盛な探究心や好奇心を後押しできるような環境を整えていきたいですね。

その一つとして考えているのが、地域の外部講師を積極的に導入することです。たとえば、家庭科の調理実習。通常は家庭科の先生が教えますが、日々お客さんと勝負している地元の料理人を招いてプロの技術を教わる。先生は子どもたちに最適な学びの環境をコーディネートしていく、という構想です。

幸い川場村では、地域の方の協力体制がすでにでき上がっています。地域の力を借りて、子どもたちがワクワクする場を整えていきたいと思っています。

実現に向けての課題は?

小中一貫校になったものの、今までの小中学校と内容的には何も変わらない、ということは避けたいですね。

ですから、変えるべきものと変わってはいけないものを、1年かけてみんなで精査しながら開校を迎えたいと思っています。

今、開校準備室をつくって打ち合わせを進めています。「準備室だより」は発刊していますが、「川場学園ではこんなことができますよ」ということをもっと広報していきたいと思っています。

川場学園開校後の展望は?

必要な知識を身につけるだけではなく、「川場学園は自分たちの学校」という意識をしっかり持たせ、「仲間と力を合わせてよりよい川場学園を創り上げることができた」という自信を持たせることにより、何があっても「必ず解決の道はある」と諦めずに前進したり、必要があれば誰かに助けを求めたりすることができる子どもを育てていくこと。

しかし、それは一朝一タで築けるものではありません。開校後、努力を積み重ねていく必要があると思います。そして、子どもたちの育ちという中身で勝負できる学校にしたいですね。

教育の方法や内容を変えるということは、単に子どもが変わるだけではなく、川場村の将来の基盤をつくるということに繋がるのだと思います。川場村がこの先、生き残れるかどうかというのは、次代を担う子どもにかかっているのですから。そうした点からも、川場学園が果たす役割は大きいと思うんですよ。

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